2007年09月14日

『物理と数学の不思議な関係』

今回は、読まなかった本の紹介。

マルコム・E・ラインズ著 青木薫訳『物理と数学の不思議な関係』(早川書房)

書店の古本コーナーで200円で買った、数学史と物理学史の本。
興味深い言葉と人名が出てくる。数式があるので、理解できない私には格好の睡眠誘導剤だが、数学の素養がある人にとっては小躍りするような本でしょう。

登場する人名などを以下に羅列する。

ニュートン フック ファインマン フェルマーの最終定理 ワイルズ ボアンカレ プラトン アリストテレス アユイ ブラヴェ格子 パッキング問題 ユークリッド ガウス ロバチェフスキー リーマン デカルト アインシュタイン ベルヌーイ フーリエ オイラー ローレンツ マックスウェル ド・モアブル トポロジー フラクタル ………切りがないのでオシマイ 
posted by imajin at 08:00| Comment(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年09月08日

垣根涼介『ワイルド・ソウル』

垣根涼介『ワイルド・ソウル』上下(幻冬舎文庫)

始めて知った、掘り出し物の作家。書店の古本コーナーで偶々手にした。

戦後の国策に乗って移住したものの、日本という国家に見棄てられたブラジル移民1世2世の復讐の話。
社会性のあるテーマを、大藪春彦を薄口にして少々行儀を良くした文体で書いている。ストーリーの運びが自然で、入植したアマゾン流域の描写がリアルで深い。
読みやすいハードボイルド作品。


関連項目

移民を扱った純文学には、第1回芥川賞受賞作・石川達三の『蒼氓(そうぼう)』(絶版らしい)がある。

ブログ「鯰のひとりごと」の「名作の舞台」ページhttp://www.zusi.net/meisaku/soubou/soubou.htm
posted by imajin at 09:28| Comment(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年09月03日

柴田明夫『食糧争奪』第5章

第1章 マルサスの悪魔がやってくる
第2章 飽食の時代とそのわな
第3章 脅かされる大地
第4章 高まる食卓への不安
第5章 立ち遅れるなニッポン


*農業自立戦略の研究「4つの革命」1981年報告
  農業は先進国産業

  @市場革命
    価格支持政策よりも市場の競争原理の導入
    アグリビジネスの参入
  A土地革命
    農地の集約化 賃貸借による規模拡大
  B技術革命
    遺伝子工学 動植物学 土壌学 化学
    気象学 機械工学 電子技術 土木工学
    経済学 経営学 等
  C人材革命
    AとBはマネジメント能力に優れた経営者を
    生み出す

  プロの農業者を育成

*この25年間の変化
  農家戸数 460万戸→293万戸
  農地面積 546万ヘクタール→471万ヘクタール
  就業人口 506万人→259万人

*61年の農業基本法から農業の近代化
  コメの価格支持
  畜産物の選択的拡大=飼料を輸入に依存
      ↓
   食管赤字 兼業農家の増加
      ↓
   70年 減反政策のスタート

  農地価格の高騰が農地の流動化を阻害

*農業の生産性は向上したが「4つの革命」は封殺

*自由貿易体制の浸透の中で日本農業の制度疲労が
 顕在化し、農業基本法を廃止

*「食料・農業・農村基本法」1999年
  @食料の安定供給の確保
    食料自給率の向上
    安全・良質な食料を合理的価格で供給
    輸入と備蓄を組み合わせる
    生産者の視点から消費者の視点へ

  A農業の多面的機能の発揮
    国土保全 水源の涵養 自然環境の保全
    良好な景観 文化の伝承

    中山間地域には直接支払い政策
    WTO農業自由化交渉への国内体制固めの側面

  B農業の持続的発展
    生産条件の整備 生活環境の整備
    生産要素の確保 自然環境機能の増進

  C農村の振興

*2000年の「食料・農業・農村基本計画」は
 5年ごとに見直す

*2005年での認識
  食の安全への関心増 
  食料自給率の低迷
  農業労働力の高齢化
  土地利用型農業(水田・畑作)の構造改革の立ち遅れ
  農村地域の活力低下
  地域自然の保全管理が困難

*農地の利用に対する改革が足りない
 農地を有効に利用するものに耕作を任せるべき
  リース契約で耕作権を法人にも移転
  担い手は都市サラリーマン、団塊の世代リタイア組など

*2005年「食料・農業・農村基本計画」
  日本
    カロリーベース食料自給率 40%
    穀物自給率 28%

  03年穀物自給率
     アメリカ 128%
     フランス 142%
     ドイツ  122%
     イタリア  62%
     イギリス  70%

  カロリーベースでコメのウエイトが低下
  油脂、畜産物の増加

  2010年度にカロリーベース総合食料自給率を
  45%に
    1998年から07年までは40%

  「品目横断的」経営支援策
    法人・集団3万〜5万を含む40万戸のプロの
    農家に支援を集中
    
    生産品目にかかわらず大規模農業経営体に
    直接支払いをする

  WTOルール(保護削減の対象外)
   @生産を刺激しない収入支持
   A環境保全
   B段々畑などの条件不利地域への支援

*食料の供給システムの変化
 「食」と「農」の分離
   川中、川下での付加価値が増大
    =グローバル化、海外生産シフトにより
     国内農業の比重低下
    
   中小食品企業は農業生産者と直接、結びつく
   大手と外食産業は商社を通して海外と連携
   
   前者は「くっつく農業」、後者は「離れる農業」

*まとまらないWTO交渉
  急進的な自由化要求に対して日本やEUは
  農業の多面的機能で牽制

  自由貿易協定(FTA)、経済連携協定(EPA)の
  進展

  日本に対してはコメ開放の圧力

  一段の自由化を迫られた場合自給率は40%から20%
  前後に低下し、中長期的な食糧安全保障に不安

*農業は食品産業との連携が不可欠

*セミプロ農家やホビー農家の役割も大きい
       ↓
  団塊の世代に農業を開放
  耕作放棄地39万ヘクタールの利用

*アジアの中の日本を見据えたコメ戦略
  日本のコメをブランド米としてアジアに輸出
  トウモロコシではなくアジアのコメを飼料穀物へ
    ハイブリッド米

*アジア共同備蓄構想
  日本はWTOの多国主義から地域主義へ転換
  
  東アジア共同体の構築
   政治制度の差、経済面での差があり欧州より困難

  多様性を活用した
   東アジア共通通貨政策(ECCP)
   東アジア共通環境・エネルギー政策(ECEP)
   東アジア共通農業政策(ECAP)
  が有効

  経済のグローバル化による東アジアの不安定化リスクに
  農業・農村の健全な発展が重要

*東アジアの持続的発展、共同体構想構築への提言
  @東アジア、中国農産物に対して日本が緩衝体になる
    中国の野菜、畜産物の輸入
  A農産物、食品の安全認証基準の整備
  B環境問題解決の協力体制
  C流通、輸送システムの整備支援
  D短期的なコメ、小麦の供給途絶への保険機能としての
   共同備蓄
  Eハイブリッド米や稲発酵粗飼料の実用化

<まとめ>
*世界の食糧市場の分析
  @今後10年から20年で均衡点の変化が起こり
   もう一段の価格上昇
  A需要に供給が追いつかない
  B背景には中国、インドなどの新興経済の旺盛な需要
  Cコメ、小麦、トウモロコシ、大豆など特定作物に依存
   GMOには期待と不安
  Dバイオエタノール需要は食糧の国家間、市場間(エネル
   ギー市場と食糧市場)の争奪を招く
   
   水や土地をめぐって農業と工業間の争奪

*日本の農業の課題
  @国内の農地の徹底的な利用
    利用し尽くすものに耕作を任せる
  Aリサイクルの徹底
  Bアジアをはじめとする海外との連携

*イノベーションの重要性
  異端者の参入の意志に期待
  農業主体が自ら変わろうとする意志

  
posted by imajin at 08:00| Comment(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年09月02日

柴田明夫『食糧争奪』第4章

第1章 マルサスの悪魔がやってくる
第2章 飽食の時代とそのわな
第3章 脅かされる大地
第4章 高まる食卓への不安
第5章 立ち遅れるなニッポン


*狂牛病(BSE)
  なぜBSEは80年代の半ばになって初めて
  イギリスで発生したのか
    肉骨粉の製法の変化
      屑肉を高温の蒸気で長時間加熱
      溶媒による抽出
         ↓
      オイルショック時に煮沸温度を低下させ
      短時間加熱、溶媒を使わない製法へ
         ↓
      家畜飼料がプリオン・タンパク質で汚染


*遺伝子組み換え作物(GMO=GM作物)がインダストリーへ
  単収を飛躍的に高めることが可能

  作物の改良と作物の改変の2つの方向性


*米国では1996年がGMO元年
  米国のGM作物の栽培比率(2003年)
   大豆81% トウモロコシ40%
  世界では
   2000年 4千万ヘクタール
   2005年 9千万ヘクタール
   2006年 1億2百万ヘクタール
  国別栽培シェアー(2005年)
   米国55%、アルゼンチン、ブラジル、カナダを
   加えると90%以上。
   インド、中国、南アフリカ、フィリピンで拡大

*GM作物が普及する理由
  @アグリビジネスによる熾烈な販売競争
  A生産農家の負担の軽減
  B単収のアップ
  C農薬散布の減少で環境維持に貢献
  D発展途上国の飢餓の解決

*長期的にみた消費者の不安
  @人体へのアレルギー反応、予期せぬ影響
  A野生生物への影響 遺伝子汚染
  B偽りの新鮮さへの疑問

*遺伝子組み換え技術が植物から動物へ
  「フランケンシュタイン技術」
  普及から規制の段階に入りつつある

*経済のグローバリゼーション=感染症のグローバル化
  アジア大豆サビ菌の米本土上陸
  世界規模で深刻化

  米農家は不安から大豆の作付けの一部を
  トウモロコシにシフト

*鳥インフルエンザ
  養鶏向け飼料需要の減少予測
   =トウモロコシ、大豆相場が重い
  2005年3月以降、中国の大豆輸入量が減少

  穀物相場上昇の足かせ

*コーヒー危機
  安すぎる農産物価格
    ↓
  生産国の貧困
    ↓
  テロの温床、コカインの栽培

  2000年を底にコーヒー相場が下落

  2002年、米国は国際コーヒー機関に再加入
   ブッシュはヒスパニック系住民の票を期待

 コーヒー豆価格は歴史的低迷から脱したが安値圏

posted by imajin at 08:00| Comment(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年09月01日

柴田明夫『食糧争奪』第3章

第1章 マルサスの悪魔がやってくる
第2章 飽食の時代とそのわな
第3章 脅かされる大地
第4章 高まる食卓への不安
第5章 立ち遅れるなニッポン


*再生可能な食糧が有限に
  常態化する異常気象
    エルニーニョ/ラニーニャ現象が多発
    ハリケーン「カトリーナ」

*世界の利用可能な水の量が増えない
   =管理が重要
  水資源管理の新時代のポイント
   @河川の水資源管理は河川流域全体で
     余剰の水を流域の外に放流
       =開放状態
     余剰水がない
       =閉鎖状態
     人口と経済の成長は閉鎖状態へシフト
   A事実上の節水(ウエット節水)
    机上の節水(ドライ節水)
   Bウエット節水
      世界の水使用量の8割を占める農業で
      使用効率を高める
  水不足が深刻化しているアジアは食糧輸入国へ

*中国農業の水不足
  国土や人口の大きさに比べて水資源量が少ない
  総給水量が減少 地表水の減少が大きい
    上流の感慨の影響で河口の前で干上がる
    地下水も深い井戸へ
  用途別の水需要構造の変化
    農業…減 工業と生活…増
  雨量は北が少、南が多 食糧基地は東北部
  
  水資源利用の効率化が最重要課題

*都市と農村での土地と水の奪い合い
  治水、利水、水環境のバランスが必要
  
  広東省での取り組み

*米国の新たな環境政策
  2002年の新農業法=補助金増 
        不足払い制度の復活
        ローンレートの引き上げ
    環境保全の農業政策=成果が上がっている
      生産者への政府支払いの増加
      耕地の遊休化による経済的デメリット


posted by imajin at 08:00| Comment(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年08月31日

柴田明夫『食糧争奪』第2章

第1章 マルサスの悪魔がやってくる
第2章 飽食の時代とそのわな
第3章 脅かされる大地
第4章 高まる食卓への不安
第5章 立ち遅れるなニッポン


*西洋型とアジア型の食料消費パターン
  日本…牛乳消費量の低迷
   少子高齢、人口減少、若者の牛乳離れ
  中国…牛乳ブーム(貴重品から普及品へ)

  アジア型 肉類の消費量少

*アジアの食料消費の特徴
  @コメのウエイトが高い
  A食生活の国民性が顕著
  B経済発展に伴い、穀物以外の換金作物(野菜、果物)、
   畜産の増加
      肉類の消費拡大=飼料穀物の増加

*インド=生産量は「モンスーンのギャンブル」
    経済発展で国際市場に影響を与える可能性

*ゆらぐ大豆市場
 ブラジルの大豆生産の限界
 中国の旺盛な大豆輸入(大豆の消費大)
   戦略的な農産物輸入政策

*中国
  大衆消費社会型の食文化へ
    卵 小麦(専用小麦へ移行)
  流通変革
   @民営化した卸企業が仲間取引
   A中央・地方政府の流通システムの近代化
   Bチェーンストアが増加(スーパー、コンビニ…)

  農業の脆弱化
   期末在庫減少  供給不足

  2001年、中国WTO加盟
    構造改革による失業増
    加盟
     =輸出で成長 外資導入 資源の輸入拡大
    農業は大胆な生産構造調整で意外に強い

  コメ生産が回復 
  消費量減少(インディカ米→味の良いジャポニカ米)

  三農(農業、農村、農民)問題の解決
   土地収用制度の改革 耕地保護制度
   農村社会での教育、衛生、医療の整備
   都市部と農村部の格差是正

   農村の工業化で余剰労働力を吸収

   社会主義新農村の建設
     奪う農業から与える農業へ
     工業が農業を養い、都市が農村を支援
    食糧生産の増大は価格下落にならなかった
      需要の増大により農業所得も増大

posted by imajin at 08:00| Comment(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年08月30日

柴田明夫『食糧争奪』第1章

食糧争奪―日本の食が世界から取り残される日

第1章 マルサスの悪魔がやってくる
第2章 飽食の時代とそのわな
第3章 脅かされる大地
第4章 高まる食卓への不安
第5章 立ち遅れるなニッポン

*2006年秋口より世界の穀物価格が急騰
  期末の在庫率が低下
  小麦=旱魃
  トウモロコシ、大豆も価格上昇
  コメ=アジアの需給が逼迫 面積と単収増加以上に
  消費量が上回る
  「豊穣の中の不足」の要因は中国=豊作に対する生産調整
  →政策変更で歯止め

*穀物市場の脆弱性
  @生産量に対し貿易量が少ない。輸出国の国内生産の変動が
   増幅される。
  A穀物輸出国が米国、カナダ、オーストラリア、南米、中国
   などに限定
  B輸入国は日本、韓国、台湾などアジアが中心

*穀物メジャーの戦略
  世界の穀物貿易量が倍増
 @米国内の集荷力と販売力を強化  
  大規模、高能率の新鋭工場
 Aブラジル、アルゼンチンでの集荷体制、輸出拠点を確保
 B中国、東アジアに進出

*食糧問題と農業問題(マルサスの悪魔)
 1人あたり穀物消費量は大幅に増大する
 耕地面積拡大の限界
 単収伸び率の低下

*成長の限界
 ブラジル、ロシア、インド、中国(BRICs)の物づくりの成長
  =地球規模でのエネルギー・資源多消費型経済発展

*人類は特定の4作物に依存=生物(植物)の多様性の喪失
 =脆弱性

*バイオマス導入競争
 バイオエタノール=サトウキビ トウモロコシ 小麦 木材
 食用油 家庭ごみ
 トウモロコシの需給が逼迫

*荷動き増大で穀物運賃が高止まり

posted by imajin at 08:00| Comment(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年08月28日

新書

手嶋龍一・佐藤勝『インテリジェンス 武器なき戦争』(幻冬新書)

お互いに褒めあう対談は、内容の信憑性に疑問を抱かせる。
以前に読んだような既視感が最後までつきまとったのは、実際に読んでいたのか、それとも立ち読みをした為なのか、不明。
posted by imajin at 08:00| Comment(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年08月02日

推理小説

西村京太郎『松本美ヶ原 殺意の旅』(祥伝社文庫)
 頭を休めるための読書には西村京太郎は良く似合う。コンビニの棚の数冊の小説から選んだ本。内容に期待してなかったが、謎解きの意外性も必然性もなく、予想通りの駄作。
posted by imajin at 22:10| Comment(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする