2016年12月23日

井上智洋『人工知能と経済の未来 2030年雇用大崩壊』(文春新書)

『人工知能と経済の未来 2030年雇用大崩壊』を読み終えた。

筆者はマクロ経済学者でITにも詳しい異色の人。

2016年の日経ビジネス「次代を創る100人」に選ばれた。



要約すると

・1990年代から「(忘れられていた)技術的失業」が問題として甦ってきた。

・事務労働に続いて肉体労働がこれから機械によって駆逐されていく。

・コンピュータが全人類の知性を超える未来のある時点を「シンギュラリティ」(Singularity 技術的特異点)というが、それは2045年と予測されている。(筆者は懐疑的)

・AIには特化型AIと汎用AIがあり、2030年頃に汎用AIが出現し第四次産業革命を引き起こす。その時から急速に人間の労働需要は減少していく。

 (注:第一次=蒸気機関 第二次=内燃機関・モーター 第三次=パソコン・インターネット)

・機械に奪われにくい仕事は、クリエイティヴィティ系、マネージメント系(経営・管理)、ホスピタリティ系(もてなし)。

・2045年には、内実のある仕事をし、それで食べていけるだけの収入を得られる人は1割程度になる可能性。

・第三次産業革命までのインプットは機械と労働だが、第四次産業革命では生産活動に必要なインプットは機械だけになる。(純粋機械化経済)

・資本家の取り分は限りなく大きくなり、労働者の取り分は限りなく小さくなる。

・その時の労働者の所得を保証する制度はベーシックインカム(全ての人に、収入に関係なく無条件に最低限の生活費を給付する制度)である。これには社会保障制度としての側面と国民配当としての側面がある。

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2016年03月16日

『春の戴冠』終了

辻邦生『春の戴冠』(中公文庫kindle版)全4巻をようやく読み終えた。

  プラトン研究者「フェデリゴ」が回想する形式で、ボッティチェッリの生涯と創作活動を伝記風に書いた佳作。
  フィレンツェという町の盛衰(=メディチ家の盛衰)を生命体のそれとして捉え、ボッティチェッリの作風の変化とリンクさせている。モデルとなったシモネッタとの関係、『春』や『ヴィーナスの誕生』の中のギリシャ神話の寓意についても詳しい。

プラトンを読みたくなったが、イタリア旅行の予備知識として昨年の暮れから始めたルネサンス関係の読書は、ひとまず終わり。
辻邦生は奥が深そうだから、あとでもう少し読もう。
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2015年10月06日

読書メモ

6月から9月で19冊読んだ。
今月になってから『介護ビジネスの罠』『火花』

『見捨てられた初期被曝』と『葬送 (2巻)』(ショパンの伝記)は、なかなか進まない。

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2010年09月15日

この数日の読書

宮城谷昌光(みやぎたにまさみつ)『華栄の丘』(文春文庫)
 中国古代・宋(紀元前600年頃)の宰相の話
 
池上彰『わかりやすく<伝える>技術』(講談社現代新書)
 プレゼンテーションや講演のときのノウハウ


宮城谷昌光の本が3冊、本棚にあった。
妻は買った記憶がないと言うし、妻が読みそうなジャンルでもない。
誰の本なんでしょう?
もしかして、私が自分で買って読んだことを忘れてる?となると重症だ。
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2010年02月18日

村山由佳『青のフェルマータ』

朝起きたら雪。

村山由佳『青のフェルマータ』(集英社文庫)

知り合いの女性に数冊の本を貸したら、返ってきた袋に間違って入っていた。
自分の読書傾向とは違ったものを、それも初めて知った女流作家の作品を偶然に読むことになったのが新鮮でした。

心的外傷で声を失った若い女性の話。ストーリーも描写も自然でいい。
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2010年02月10日

外山滋比古『知的創造のヒント』(ちくま学芸文庫)

外山 滋比古(とやま しげひこ、1923年 - )
2008年の発行だから単行本はその数年前だと思って読んでいたら1977年だった。
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2010年02月04日

三浦展『下流同盟 格差社会とファスト風土』

三浦展(みうらあつし)『下流同盟 格差社会とファスト風土』(朝日新書)

キーワード
「ファスト風土」
 郊外大型店によって中心街が廃墟となり、地域社会が壊れていく現象

「ウォルマートもどき」
 アメリカ・ウォルマート出店地域では、価格競争によって地元の商店がつぶれる。
 ウォルマートでの雇用は非正規低賃金労働者。
 値下げ要求によって取引先も利益低下、廃業。
 地域全体の賃金水準が低下。

 日本でも同じ現象が起こっている。
 
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2008年07月08日

先週 読んだ本

杉山茂樹『4−2ー3−1』光文社新書
 サブタイトル:サッカーを戦術から理解する

宮城谷昌光『夏姫春秋(上下)』講談社文庫
 春秋時代、類まれなる美女・夏姫の話。とは言っても恋愛物ではなく軍記物。
 直木賞受賞作。初めて読む作家。漢語を駆使。 
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2008年06月26日

『サラン・故郷忘じたく候』

荒山徹『サラン・故郷忘じたく候』文春文庫

豊臣秀吉の朝鮮出兵(文禄・慶長の役)の頃の朝鮮を描いた短編集。
朝鮮では陶工は奴隷だったetc
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2007年12月17日

島田雅彦『彗星の住人』

島田雅彦『彗星の住人』(新潮文庫)

本屋で「まだ読んでない作家」「無機質な文体」という条件で適当に選んだ本。「無限カノン」3部作の1作目。

同じ日に適当に買った、筒井康隆・選『人間みな病気』(ランダムハウス講談社)にも偶然ながら島田雅彦の作品が収録されているから、私が知らないだけで、有名な作家なのでしょう。
(こういう偶然も人との巡り会いのようで面白い)

内容は蝶々夫人から始まる五代に渡る叙事詩的物語。その中に何気なく謎が挿入され、あとになって非現実が現実と結びつく形で謎が解き明かされる。フィクションをノンフィクションで味付けをしたようで、それは小説としてルール違反だろ!、と思わせるが、詐欺に遭ったようなその感覚が快感でもある。

と書いたが何のことか分からないでしょうね。詳しく書くとネタバレになるので、ぜひお読みください。「〜〜ゆえ。」で終わる文体が気になるものの、透明感があって、なかなか良い作品です。
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2007年11月29日

柳田邦男『壊れる日本人』

柳田邦男『壊れる日本人』(新潮文庫)
 副題「ケータイ・ネット依存症への告別」

筆者は栃木県鹿沼市出身のノンフィクション作家。
科学技術の陥穽や終末医療についての本が多い。

内容をまとめられそうもないので、目次を列挙する。

  見えざる手が人間を壊す時代
  広がるケータイ・ネット依存症
  「だが、しかし」と考える視点
  「ちょっとだけ非効率」の社会文化論
  ジレンマの壁を融かすには
  「あいまい文化」を蘇生させよう
  言語の危機の三重構造
  この国を救う「あいまい文化」
  人の傷みを思わない子の育て方
  ノーケータイ、ノーテレビデーを
  異常が「普通」の時代
 「向き合う姿勢」を取り戻すには

大雑把に言えば、あいまいな領域を持たない西洋文化、それに伴う効率主義への警鐘ということでしょうね。

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2007年11月27日

森巣博『セクスペリエンス』

森巣博『セクスペリエンス』(集英社文庫)

横文字のタイトルは『SEXPERIENCE』で、最初のSを取れば「経験」となり、「セックスの経験」の意になる。
外国の女流作家が書いた推理小説を翻訳したような文体と内容と雰囲気。
意図的にしているのか、不自然な日本語も使われている。
小説を読んだのは2作目だが、継続して読むほどの作家ではないような気がしてきた。
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2007年10月17日

『井上ひさしと141人の…』

井上ひさし『井上ひさしと141人の仲間たちの作文教室』(新潮文庫)

1つの文を短くしなさい」や「”〜なので”、”〜ですが”を使うな」と書かれている、数十年来の癖なので修正するのは難しい。

言葉に対する感覚と、添削のうまさは流石。少し朱を入れるだけで、作文教室の生徒たちの文章が見違えるように変わっている。

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2007年10月12日

秋田洋和『品格ある子どもの育て方』


著者は中学受験・高校受験進学塾の算数・数学講師。現在は活動範囲を広げ、豊富な経験に基づくコンサルタントや講演も行っている。冒頭に出てくる、バトルが華やかし頃のパソコン通信時代からの知り合いでもある。

手垢が付き始めた「品格」という言葉を無理に使っているように見えるのが気になるところ。
言葉を換えれば「自分で考え行動する子どもをどう育てるか」(P44)であり、それが全体を流れるテーマになっている。

子育てが終わった私が同意できることや、「そうすれば良かったかな」と思えることが書かれているので、小学生、中学生の子を持つ親にはぜひ読んでほしい1冊。

説明の中に奥さんが「悪役」として登場する。それを活字にできるのは良い夫婦関係だからこそでしょう。誰にもできることではない…
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2007年10月10日

安保徹『50歳からの…』

安保徹『50歳からの病気にならない生き方革命』海竜社

○身体は自律神経に支配されている
○自律神経には交感神経と副交感神経がある
○ムリ(交感神経過剰)をしすぎてもラク(副交感神経過剰)をしすぎても病気になる
○癌を含めた生活習慣病は生活の見直しが必要
○慢性病は薬に頼らない方が良い
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2007年10月09日

佐藤勝,高永普w国家情報戦略』

佐藤勝・高永普w国家情報戦略』(講談社+α新書)

大宅壮一賞受賞作らしい。
新書ブームとはいえ、東京からの帰りの電車の中で読み終えるような、中身の薄い対談形式は、安易な本の作り方だと思う。
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2007年10月08日

福岡伸一『生物と無生物のあいだ』

福岡伸一『生物と無生物のあいだ』講談社現代新書

分子生物学者の研究生活のエッセイが、同時に分子生物学の歴史と研究内容の紹介になっている。
丁寧に文学的に説明されていて文系人間にも気持ちよく読める本。
以下、ポイントを抜粋。

◆生命とは自己複製を行うシステムである
   DNAの対構造
◆われわれの身体が原子に比べてこれほど大きい理由
   生命を構成する原子は絶え間ないランダムな熱運動であり
   すべての秩序ある現象は、膨大な数の原子が一緒になって
   行動する場合にはじめて、その「平均」的なふるまいとし
   て顕在化し、統計学的な法則にしたがう。
   その法則の精度は原子の数が増えれば増えるほど増大する。
   例外的な振る舞いをする粒子の頻度は平方根。
     100個のとき10個  10%
     百万個のとき1000個 0.1%
◆生物の形態形成には物理的制約がある。進化論だけではない。
   例:分節
◆エントロピー増大による熱力学的平衡状態に生物はならない。
 動的平衡にある。
   秩序は守られるために絶え間なく壊されなければならない。
   渚の砂の城がその形を保ったまま、打ち寄せる波によって
   砂粒を取り除かれ、そこに新たな砂粒が補完され、すべて
   入れ替わってしまうというモデル。
   生命とは動的平衡にある流れである
◆あるタンパク質には必ずそれと相互作用するタンパク質が存在する。
   相補性
◆細胞の内部の内部は外部
   細胞膜からどのようにして出るか
   細胞は自分自身の内部に別の内部を作ってそれを外部とした。
◆ES細胞について

仮説に反して、ある機能を欠落させたES細胞由来のマウスは正常に成長した。他方、一部だけ残したものは死んだ。
その理由は       

時間軸のある一点で、作り出されるはずのピースが作り出されず、その結果、形の相補性が成立しなければ、折り紙はそこで折りたたまれるのを避け、すこしだけずらした線で折り目をつけて次の形を求めていく。そしてできたものは予定とは異なるものの、全体としてバランスを保った平衡状態をもたらす。もしある時点で、形の相補性が成立しないことに気づかずに、折りたたまれてしまった折り紙があるとすれば、その折り目のゆがみはやがて全体の形までをも不安定なものにする。

生物には時間がある。その内部には常に不可逆的な時間の流れがあり、その流れに沿って折りたたまれ、一度、折りたたんだら二度と解くことのできないものとして生物はある。

動的な平衡がもつ、やわらかな適応力となめらかな復元力に感嘆すべき。

結局、私たちが明らかにできたことは、生命を機械的に、操作的に扱うことの不可能性だったのである。


期待した結果が得られないことから、別の結論が得られることもあるんですね。   




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2007年09月29日

森巣博『蜂起』

森巣博『蜂起』 (幻冬舎文庫)

このところ、なぜか幻冬舎の本が多い。

奇想天外、荒唐無稽で、結末のところは構成に無理あり。
どこまで事実か判然としないものの、国家権力の嫌らしさを納得させる本。

<同じ著者の作品>
姜 尚中, 森巣 博『ナショナリズムの克服』 (集英社新書)

詠みやすい対談集。内容がほとんど記憶に残らなかった読者もいる(苦笑
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2007年09月22日

『ラティーノ・ラティーノ!』

垣根涼介『ラティーノ・ラティーノ!』(幻冬舎文庫)

9月8日に紹介した『ワイルド・ソウル』の取材日記。ブラジルとコロンビアを訪問している。
「ラティーノ」はラテンアメリカ人の意。
ざっと読み流すだけで南米人の性格と考え方に触れられる。
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2007年09月20日

『食糧争奪』への感覚的疑問

提言部分への、データの裏づけのない、感覚的な疑問。

(1)グローバル化は日本国民にとって良いことなのか。
    グローバル化を推し進めた結果が農業人口の減少、
    食糧自給率の低下である。
    輸出工業の、工業による、工業のための政策は、
    恩恵を一部の人間に集中させ、人口が減少し高齢
    化する日本社会を破壊するのではないか。

(2)耕作放棄地での農業を団塊の世代に期待するのは机
   上の空論である。
    作業条件の良い圃場では、既に小作に出す形で所
    有と利用は分離している。法人化も、その地域で
    は可能。

    しかし、中山間地においては、非農業者が使用料
    を払い耕作する「棚田の維持」は、趣味の園芸の
    様相である。
    農業の素人が、マムシが出るような沢の圃場で継
    続的に耕作に従事するはずがない。

    農家に所得保障し、家を離れた農家の子弟に自分
    の「所有地」を管理させるのが現実的な対応である。

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